さっそく、息子は鉛筆で模写し始めた。
「好きになってくれて嬉しいよ」と僕は応えて、
この絵にまつわる思い出を伝えた。
丸山先生は僕の恩師(6-12歳頃絵を習った)。
10年ほど前、先生の個展が東京銀座であり、その時、一目惚れして買った。
先生が一番描きたい絵は、円空仏(円空という貧乏なお坊さんが、世話になった人にお礼として、ささっと彫ったという木彫りの仏像)だった。
でも、身を立てるために、絵画教室をして、売れる絵を描いていた。
それをコンテで描くのが先生のライフワークだ。
先生の一番よい絵だと思ったからこそ買った。
さて、僕は、息子に、簡単に、コンテの説明をして、
鉛筆で描いてから指でこすってぼかす方法を実演して教えた。
息子は、すぐに、鉛筆画を続けて、ぼかしを入れた見事な絵を描き終えた。
ちなみに、個展に出向いた日は、一旦家に帰り、安くない買い物なので、
妻に相談して、買うことにした。
当時、先生宛ての手紙を書いた。
感謝の気持ちを伝え、絵を買いたい。とスケッチ葉書の裏に書いた。
葉書には、僕がビジネス会議で訪れた海南島の貝殻売りのスケッチを描いた。
数日したら、先生から電話があり、
「僕自身、表情がうまく描けたと思ってる絵を輝政君が買ってくれるなんて、嬉しい」と言って貰えた。
その言葉がとても嬉しかった。
感謝と喜び。
ありがたい。
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